◇マンション管理士とは
みなさん、こんにちは。山下マンション管理士事務所代表の山下誠吾です。福岡県内および北部九州、山口県を活動範囲としています。また、福岡県マンション管理士会の広報担当理事としての業務にも従事しています。
マンション管理士は、マンション管理のゼネラリストです。マンション管理の特定の分野に特化した専門家ではなく、すべてに特化した存在です。マンション管理は、建物の維持、修繕や水回りの補修、保全あるいは騒音問題など近隣トラブルの解消、管理費滞納などへの対応、管理規約の作成、変更や長期修繕計画の作成、見直しなど多岐にわたります。それらすべてに目配りし、管理組合の運営を援助できる存在でなければなりません。マンション管理適正化法によると、マンション管理士は「専門的知識をもって、管理組合の運営その他マンションの管理に関し、管理組合の管理者等またはマンションの区分所有者等の相談に応じ、助言、指導その他の援助を行うことを業務とする者」ということです。
マンションの資産価値を守り、良好な地域コミュニティーの形成に貢献するためには適切なマンション管理が欠かせません。マンションの区分所有者の誰もが管理組合の役員になる可能性がある以上、管理組合の運営は、基本的に誰が役員に就任しても無理なく職務を全うできるものであることが求められます。しかし、仕事で忙しかったり、高齢化で役員の担い手が少なかったり、さまざまな理由で管理会社に丸投げすることになりがちです。「役員になったのだけれど何をしたらいいのか」という相談を少なからず受けます。「好きな人がやればいいんじゃない」という声も聞きます。しかし、マンション管理は好き嫌いでやるものではありません。区分所有者なら誰もが参画しなければならない職務なのです。
管理組合運営の主体性を確保しつつ、誰もが無理なく職務を全うできる体制をつくることは大変難しい。そこで、この問題の解決法としてマンション管理士の活用があります。理事会、総会の支援は言うに及ばず、日々の業務に至るまでマンション管理の主体である管理組合をサポートする存在がマンション管理士です。
◇かかりつけ医のように
私はマンション管理士になる前、毎日新聞社の記者を30年勤めました。福岡県内では北九州、筑豊地区、ほかに長崎県の長崎、佐世保両市、熊本市、佐賀市などにも赴任し、教育、環境問題のほか各県政、市政、事件事故、災害などを担当しました。
医療問題を担当していたこともあります。その時に思ったことなのですが、名医というのは単独で存在できるものではない、ということです。一人の名医のもとには看護師、麻酔医、介護士ら整備された医療体制、そして患者が最初に症状を訴える「かかりつけ医」がいます。何もかも一人でできる医者などいません。多くの人たちが支え合ってはじめて患者をサポートできるのです。マンション管理士とは、この「かかりつけ医」のような存在だと思っています。患者が「ここが少し痛むんですが」とか「ここ数日風邪気味で……」などといった、ちょっとした異変や気になることを訴えることができる存在。たいしたことはないと思うけれど、もしかしたら大事になるかもしれない不安もある、という時に頼れる存在。それが、かかりつけ医。
マンション管理においても同様です。ちょっとした気づきが大切なのです。たいしたことではないと決めつけて放っておかず、気になることは何でも相談できるマンション管理士に、私はなりたいと思います。
◇日々研鑚、マンションで暮らす人々の立場で活動
日々、個別の業務を実践するとともに、所属する福岡県マンション管理士会のセミナー&相談会で参加者の相談に応えたり、北九州市とのパートナーシップ事業である相談会、マンション管理士派遣、管理規約適正性診断など各種事業に参画し、一つ一つ実績を積み重ねています。また、福岡県マンション管理士会や同会の上部団体である日本マンション管理士会連合会の各種研修に参加して必要な知識を蓄え、日々研鑚に努めています。国家資格としてのマンション管理士制度が始まってそろそろ四半世紀。その間にいろんなノウハウが蓄積されています。それらを活用し、これまでに培った人脈を生かしつつマンション管理に関する多様な問題に対処したいと考えています。私自身、マンションに住む仲間です。マンションで暮らす人々の立場に立って、誠心誠意お手伝いしたいと考えています。マンション管理士の活用にご関心がある管理組合の方々は、どうぞお問い合わせください。
このホームページにはマンション管理に関する私の考え方のほか、コラムなども掲載しています。2023年6月からは「ほんの記憶」と題した書評も始めました。ご関心のある方はぜひお読みください。今後もホームページは折を見てブラッシュアップしていくつもりです。よろしくお願いいたします。